電気自動車の火災事故のリスクは高いのか?リチウムイオン電池の熱暴走と火災リスクを徹底解説


ニュースやSNSでは、電気自動車の火災事故が取り上げられることが多く、かなり危険視する人も多いと思います。先日も韓国で駐車中のEVが爆発?して火事になっていましたね。

っとまぁ、この動画を見ると恐ろしいですが、、、電気自動車は火災事故が起こることもありますが、実際のデータを見ると、電気自動車の火災発生率はエンジン車やハイブリッド車に比べて非常に低いことが分かります。

とはいえEVのリストと考えたときに、「火災」というのは必ずついて回るキーワードになっているのは事実です。そんな中で正しい知識を持ってEVを捉えていきましょう。

電気自動車の火災事故は本当に多いのか?

電気自動車(EV)が普及する中で、その安全性に対する不安が広がっているのは間違いありません。

話題性が大きい分「電気自動車は火災事故が多いのでは?」と心配する方も増えていることでしょう。

しかし、実際のデータをもとに、電気自動車の火災事故が本当に多いのか、そしてそのリスクについて詳しく見ていきましょう。

電気自動車とガソリン車・ハイブリッド車の火災事故率比較

まず、電気自動車とガソリン車、ハイブリッド車の火災事故率を比較してみましょう。多くの方が驚かれるかもしれませんが、実は電気自動車の火災発生率は他の車種よりも低いのです。

参考:https://evdays.tepco.co.jp/entry/2024/02/29/000056

  • 電気自動車は、ガソリンを使用しないため、燃料漏れによる火災リスクが低い
  • リチウムイオン電池は高温に弱いが、適切に管理されていれば安全性が高い
  • アメリカの統計データでは、10万台あたりの火災発生率がガソリン車よりも低い

例えば、アメリカの統計によると、10万台あたりの火災発生件数はガソリン車で約1,530件、ハイブリッド車で約3,475件、電気自動車では約25件となっています。

これだけ見ても、電気自動車の火災リスクが低いことがわかります。

中国での電気自動車火災事例

中国は電気自動車の普及が急速に進んでいる国の一つですが、それに連動して豪快な火災事故もよく話題になっていますね。

特にSNSで拡散される情報は一部を切り取ったもで、冷静な分析して要点をまとめてみると、、、

  • 2024年4月26日、山西省運城市でファーウェイ系の「問界(AITO)」ブランドの電気自動車が高速道路で清掃車に追突し、炎上
  • BYDの電気自動車がディーラーや輸送中に発火した事例が複数報告

これらの事例は、電気自動車に特有の問題もありますが、ガソリン車でも同様の事故が発生しうる状況です。

つまり、電気自動車だから特別に火災が多いというわけではありません。

いなかイーブイ
いなかイーブイ

とはいえ、出火が豪快すぎて、世間的にはEV=火災リスクやばいっていう認識は間違いないでしょうね。管理人も調べるまではこの事実を知りませんでした。

日本での電気自動車火災事例

日本国内での電気自動車火災事例は、非常に少ないですが、あるのはあります。

  • 2013年3月、三菱自動車水島製作所でアウトランダーPHEV用バッテリーパックが出火
  • 2021年8月、佐賀県武雄市で水没した電気自動車が出火
  • 2023年7月、千葉県千葉市花見川区でe-tronが出火

特殊な状況や製造過程での不備が原因なので、かなり稀なケースみたいです。

アメリカでの電気自動車火災事例

電気自動車最大手のテスラが多く走っているアメリカでは統計データがかなり蓄積されていますが、EVに限っていうと発生率は他の車種と比較して低いです。

  • 2019年、テスラModel Sが駐車中に突然発火
  • 2021年、シボレーBolt EVがリコール対象となったバッテリーの不具合で発火
いなかイーブイ
いなかイーブイ

EV火災って中国・韓国車のイメージが強いぶん、テスラでもあったのにビビっています。。。

ただ、これらの事例からもわかるように、電気自動車の火災事故はあるものの、その頻度は極めて低く、特にリコールなどの対応が迅速に行われている点が特徴です。

正直、贔屓目をなしにしてもガソリン車やハイブリッド車と比較しても、安全性は高いと言えるでしょう。

電気自動車の火災事故の原因はなんなの?

リチウムイオン電池の特性と熱暴走

電気自動車の多くに搭載されているリチウムイオン電池は、高エネルギー密度を持ち、軽量で効率的なエネルギー供給が可能です。

しかし、このバッテリーには「熱暴走」という特性があり、一定の条件下で過熱して発火するリスクがあります。

以下にその特性と熱暴走のメカニズムをまとめます。

  • リチウムイオン電池は高出力でありながら小型・軽量である
  • 充電や放電の際に内部で発生する熱が、一定の温度を超えると暴走を引き起こす
  • 熱暴走が発生すると、連鎖的に他のセルも発火し、火災に至る可能性がある

例えば、バッテリー内部で微細なショートが発生すると、急激に発熱し、これが「熱暴走」を引き起こすことがあります。

これは電気自動車だけでなく、スマートフォンやノートパソコンなどにも共通するリスクです。

それを考えると、圧倒的なリチウムイオン電池の数に比べて熱暴走の発生件数はかなり稀と言えますね。

電気自動車のバッテリー配置と火災リスク

電気自動車のバッテリーは、ほとんどの場合、車両の床下に配置されています。

この配置は、重心を低くし、走行安定性を高めるためのものですが、火災リスクに影響を与えることもあるみたいです。

  • 床下配置により、バッテリーが路面からの衝撃を受けやすい
  • 衝撃や損傷がバッテリーパックに直接影響する可能性がある
  • 火災発生時、消火が困難な場所にバッテリーが配置されている

床下に配置されたバッテリーが事故などで損傷を受けると、内部のセルがショートし、発火するリスクが上がるみたい。

その上、床下故に火災発生時には消火活動が大変というのはけっこーリスクですね。

製造時の不備や事故によるショートの影響

電気自動車の火災事故の原因として、製造時の不備や事故によるショートもあります。

  • 製造過程での不良や異物混入が原因で、ショートを引き起こす可能性がある
  • 事故による衝撃でバッテリー内部のセルが損傷し、発火するリスクがある
  • 初期の検査で不良が見逃されると、使用中に火災が発生する危険性が高まる

製造時に異物がバッテリーパックに混入すると、その部分でショートが発生し、長期間の使用後に火災事故を引き起こすことがあるみたい。

これに関しては、ユーザー側ではどうしようもないポイントなので、神に祈るのみですね。まぁあえて言うなら、まともなメーカーのものを買いましょうとしか・・・

一度発火すると消火しにくい理由

リチウムイオン電池が発火すると、通常の火災とは異なり、消火が非常に難しいという特性があります。

これは我々が動画で見る激しく燃え盛っている点からもなんとなくわかります。なんだか花火のような発火ですよね。

これは、電池内部で発生する化学反応が原因で、再発火しやすいためと言われています。

  • 熱暴走が発生すると、自己発熱が続き、火が再燃する
  • 酸素を遮断しても、電池内部で化学反応が続き、再び発火する

火災発生時の対応策と注意点

上記でお伝えした通り、リチウムイオン電池の火災は、通常の火災とは異なるため、適切な対処が重要です。

  • 火災が発生した場合は、速やかに車両から離れ、安全な場所に避難する
  • 消防に通報する際は、電気自動車であることを伝え、リチウムイオン電池が搭載されていることを明確にする
  • 消火活動は専門家に任せ、自身での消火を試みない

とにかく長い時間放水して鎮火しないといけないため普通の火災よりも消化時間が長くなるようです。

電気自動車の火災事故を防ぐための対策ってあるの?

電気自動車の火災事故を防ぐためには、当然ですが日常のメンテナンスや適切な管理が欠かせません。

リチウムイオン電池の状態を定期的に監視すること

リチウムイオン電池は、時間とともに劣化するため、その状態を常に把握することが重要です。

電圧の測定や容量テストを定期的に行い、バッテリーが正常に機能しているかを確認しましょう。

異常な電圧や容量の低下が見られた場合にディーラーなり専門家に相談することで、火災のリスクを減らせます。

適切な充電と放電の管理

過充電や過放電は、リチウムイオン電池の劣化を早め、火災リスクを高めます。

バッテリーの寿命を延ばすためには、適切な充電習慣を身につけることが大切です。

例えば、頻繁な完全放電を避け、部分放電で再充電することが推奨されます。また、急速充電を避け、低速充電を利用することで、バッテリーへの負荷を減らすことができます。

とはいえ、普段からこれをやるのって難しいんですよね。

テスラはスマホで充電管理できるけど、なんだかんだ忘れてしまいますからね。1週間に1回はフル充電が推奨されていますが、これもできている週もあれば忘れている週もありますからね。

いなかイーブイ
いなかイーブイ

アプリでフル充電する曜日とかを決めれるといいんですけどね。。。

バッテリー管理システム(BMS)

BMSは、リチウムイオン電池の状態をリアルタイムで監視し、過充電や過放電、過熱を防ぐための重要な部分。

適切に校正されたBMSを利用することで、電池の状態を最適化し、火災のリスクを最小限に抑えることができます。

これはどの電気自動車にも搭載されていますが、各メーカーにクオリティの違いがあると思います。

今のところ、中国のメーカーよりはテスラのほうが上と勝手に思っていますが、今後どうなるかはわりませんね。

4. 適切な温度管理

リチウムイオン電池は、高温や低温に弱いため、適度な温度環境での使用が推奨されます。

特に高温環境では、バッテリー内部で化学反応が加速し、劣化や火災リスクが増大するため、直射日光の下や高温になる場所での保管や使用を避けましょう。

空調管理が整っている車庫がベストですが、これは家庭の事情等があるので、できる範囲でしか難しそうですね。

まとめ

電気自動車の火災事故は、ガソリン車やハイブリッド車に比べて発生率が低いものの、万が一の際には適切な対処が求められます。

リチウムイオン電池の特性を理解し、日常的な管理とメンテナンスを怠らないことが、安全に電気自動車を利用するための鍵です。

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